インプラント埋入の際上顎洞までの距離が無い時のソケットリフト

インプラント インプラント

ソケットリフト(Socket Lift)とは、インプラント埋入を行う際に上顎洞(サイナス)の底を少し持ち上げることで骨の高さを確保し、インプラントを埋入する技術です。サイナスリフトの一種ですが、より侵襲が少なく、短時間で行えるのが特徴です。特に、骨の不足が少ない場合や小規模な骨の高さ増加が必要な場合に用いられます。

ソケットリフトの手順

  1. インプラントのドリリング: インプラントを埋入する位置にドリルで穴を開けます。これはインプラントを入れるための準備です。
  2. 上顎洞の膜を持ち上げる: 開けた穴から特殊な器具を用いて上顎洞の底部を慎重に持ち上げます。このとき、上顎洞の膜を破らないように注意が必要です。
  3. 骨移植材の挿入: 上顎洞の底部を持ち上げた空間に骨移植材(人工骨や自家骨)を挿入します。これにより、インプラントを支えるための十分な骨の高さが確保されます。
  4. インプラントの埋入: 骨移植材の上にインプラントを埋入します。ソケットリフトの場合、骨移植とインプラントの埋入を時間を置いて行う場合が有ります。

ソケットリフトの適応と利点

  • 適応:
    • 上顎の奥歯にインプラントを埋入する際に骨の高さが若干不足している場合。
    • 上顎洞の底部を少しだけ持ち上げる必要がある場合。
  • 利点:
    • 手術時間が短く、患者の負担が少ない。
    • 外科的侵襲が少なく、回復が早い。

まとめ

ソケットリフトは、上顎の骨が不足している場合に、上顎洞の膜を持ち上げて骨補填材を挿入し、インプラントを安定して埋入するための手術です。手術は慎重に計画され、適切な診断と準備を経て行われます。回復期間中には新しい骨が形成され、インプラントがしっかりと固定されるようになります。この方法により、骨の高さが不足している場合でも、インプラント治療が可能になります。