インプラントは、現在では一般的な歯科治療の一つとして広く認知されています。簡単なインプラントの場合でも、1本あたり約5分ほどで処置が完了します。
治療の確実性を高めるために、まず粘膜を剥離し、その後、骨内に存在する病巣を取り除いてから、適切なドリルでインプラントを埋め込んでいきます。
初心者向け!正しいドリルの入れ方ガイド
細いパイロットドリルを使用し、骨の中央を確認しながら貫通させます。
次に、徐々に太いドリルを使って、骨に所定の大きさの穴を掘ります。
インプラントフィクスチャーを所定のトルクでねじ込みます。
最後に、封鎖キャップをセットし、縫合を行います。
骨の幅がインプラント径よりも狭い場合、手術は容易ではありません。特に前歯部では、歯根部付近で骨幅が細くなりやすく、へこんだ部分を目視しながらパイロットドリルが骨を突き抜けないように注意する必要があります。
CT画像は重要な情報を提供しますが、予期しない病巣が骨の中に発見されることもあります。このため、病巣内や骨から突出した部分へのインプラント埋入には特に注意が必要です。
最近のインプラント治療では、ボーンレベルで骨縁下0.5mm~1mmの位置に埋入することが重要視されています。骨を直接目視して確実に手術を行うことが求められ、サージカルガイドだけでは確認できない点があります。
また、インプラントと歯肉接合部からの感染リスクの軽減や、経年的な骨吸収を考慮し、科学的根拠に基づいた治療を行っています。インプラントの定着率は上顎で95~96%、下顎では98%とされています。実験データにより若干の差異がありますが、下顎の方が定着率が高いことが知られています。
インプラントの定着にかかる期間は、メーカーの添付文書によると3~6か月とされています。この期間は、どのメーカーでもほぼ共通しています。実際、レントゲン検査でもこの期間を経過すると通常はインプラントが定着して治療が終了します。
再治療の確率は100本に2~3本とされ、これはメーカーが科学的根拠に基づいて示しているデータです。しかし、これについて詳しく言及している診療所は少ないです。インプラントの癒着不良が発見された場合、早期に原因となるインプラントを撤去する必要があります。経験上、癒着不良は2か月以内に発生し、レントゲンで異常が確認できます。症状としては、痛みの持続、腫脹、排膿などが見られます。このような場合、撤去部位を1~2か月ほど休ませてから再治療を行います。