奥歯を抜けたまま放置する危険性とその治療法

お役立ち情報

奥歯は、食べ物をかんだり、歯並びや顔の輪郭をつくったりする役割を持っています。

また、発音に関わっているだけでなく、記憶力とも関係があるという報告をしている研究結果もあります。

では、奥歯が抜けてしまうとどのような影響があるのでしょうか。

前歯と違って目立たないところにあるとは言っても、奥歯を抜けたまま放置するのはおすすめできません。

ここでは、奥歯を抜けたまま放置する危険性やその治療法についてまとめています。

「奥歯が抜けたけど、放置しても大丈夫?」「どんな治療があるの?」など、さまざまな疑問にお答えします。

奥歯が抜けたまま放置してしまっている方は、ぜひ参考にしてください。

奥歯を抜けたまま放置する危険性

奥歯を抜けたまま放置すると、どうなってしまうのでしょうか。

実は、奥歯が抜けてしまった影響は、お口のなかだけでなく全身に及びます。

どのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。

かみ合わせが悪くなる

奥歯がなくなると、他の歯がそれまで奥歯があったスペースに寄ってきます。

つまり、両隣の歯が倒れてきてしまうのです。

また、抜けた奥歯とかみ合っていた歯も伸びてきます。

歯が倒れたり伸びたりすることによりかみ合わせが悪くなると、全体の歯並びが崩れてしまいます。

またかみ合わせの悪さは、顔の見た目への影響も。

筋肉の張りがなくなり、頬がたるむ、ほうれい線が目立つ、口角が下がるなどの見た目の悪化にもつながるのです。

他の歯に影響が出てくる

かむ力を支えるのには、本来あるはずの28本の歯が必要です。

しかし、1本抜けてしまうことで、他の歯に大きな負担がかかってしまいます。

そうすると、健康な歯が痛みを伴ったり折れてしまったりすることがあります。

また奥歯は、肉などの硬い食べ物をかむときに重要な歯です。

奥歯が抜けたままの状態で硬い食べ物をかみ続けると、遠く離れている前歯にまで影響が及び、使い物にならなくなってしまいます。

奥歯が抜けることは、奥歯だけの問題ではないという認識が必要です。

肩こりや頭痛の原因にもなる

奥歯が抜けてかみ合わせが悪くなると、肩こりや頭痛などの不調が起こることも。

かむときには口やあごの筋肉が必要になりますが、かみ合わせが悪くなるとそれらの筋肉は大きな負担がかかります。

肩こりの発生は、肩回りにある僧帽筋や咬筋のこわばりによるものです。

頭痛は、上あごと頭をつないでいる側頭筋に負担がかかることで発生します。

活舌が悪くなる

奥歯を抜けたまま放置すると奥歯のない部分から空気が漏れてしまい、「ハ行」と「ラ行」の発音がしにくく滑舌が悪くなります。

滑舌が悪くなると、話しかけた相手に「モゴモゴ言っている」「何を話しているかわからない」と思われてしまう可能性があります。

言いたいことをうまく伝えられないのは、つらいですよね。

認知症のリスクが上がる

奥歯を抜けたまますることで、認知症の発症リスクが上がることがわかっています。

これは、かむ力が弱くなることによるもので、日本歯科医師会によるとそのリスクは最大で1.9倍とも。

研究結果によると、しっかり噛まないことにより、脳の機能である空間認知能力や記憶力などが低下する可能性があると言われています。

歯ぐきが下がる

奥歯を抜けたまま放置すると、歯ぐきが下がってしまいます。

これは、奥歯を支えていた骨が、うまく機能しなくなってやせ細ることによるものです。

骨がやせ細ると頬がこけて見え、結果として口元を美しく保つことが困難になります。

さらに、骨がやせ細ると、その後の治療に影響を与えることも。

程度によっては、行いたい治療を断念せざるを得ない場合もあるため注意が必要です。

歯が抜けた際の治療法

歯が抜けた際には、どのような治療法があるのでしょうか。

3つの治療法をご紹介していきます。

インプラント

金属製の歯根をあごの骨に埋め込み、それを土台として人工歯を埋め込むことで歯を補う治療法です。

人工歯をあごの骨にしっかり固定できるため、食べ物を食べるときに自分の歯と似たような感覚でかめます。

金属製の歯根を埋めるため、治療の際には歯ぐきの切開が必要で、金属製の歯根とあごの骨がくっつくまでには3~6ヶ月程度と時間がかかります。

なおインプラントは、あごの骨の状態により手術が不可能なこともあります。

入れ歯

抜けた奥歯を、部分的に入れ歯にすることもできます。

人工の歯と歯肉を、金属のバネなどを使って残っている歯に引っかけて固定する方法です。

入れ歯のメリットは、取り外しが簡単で清潔に保てること、残った歯を削らずに済むことです。

一方で、かむ力が弱くなったり、バネが目立って見た目が気になったりといったデメリットがあります。

バネの負担により、バネをかけられた歯の寿命が短くなる可能性もあります。

ブリッジ

抜けた奥歯の両隣の歯を土台にして冠をかぶせて、人工の歯を連結した状態で固定する方法です。

ブリッジのメリットは、インプラントのような外科的処置がないこと、入れ歯を着脱するわずらわしさがないことなどです。

ただし、冠をかぶせるときには、広範囲に歯を削る必要があります。

また、土台にする歯の負担が大きいことや、治療後の状態によっては歯の寿命が短くなってしまうのもデメリットです。

奥歯が抜けたらインプラントがおすすめ

奥歯が抜けてしまった場合には、インプラントがおすすめです。

インプラントのメリットとデメリットを以下にまとめました。

インプラントにするメリット

なぜ、インプラントが良いのでしょうか。

インプラントのメリットをご紹介します。

かみ合わせが合わせやすい

インプラントのメリットは、人工歯をあごの骨に埋め込むため、かみ合わせが合わせやすいことです。

一方で、入れ歯は食べ物をかんだときにずれたり外れたりすることも。

また、ブリッジも外れやすいといった特徴があります。

入れ歯やブリッジはずれたり外れたりしやすいため、かみ合わせは簡単に崩れてしまいます。

しかしインプラントは、残っている歯を支えにしないため、良いかみ合わせを保てるのがポイントです。

自分の歯と同程度のかむ力が得られる

歯が抜けた際の治療法において、かみ砕く力が自分の歯に最も近いのがインプラントです。

インプラントに使われるチタンは、時間の経過とともに骨にしっかりと根付きます。

そのため、インプラントは自分のもともとの歯と同程度の力でかめるのです。

ちなみに入れ歯やブリッジの場合のかむ力は、もとの半分程度です。

インプラントは、奥歯としての役割をしっかりと果たしてくれるでしょう。

インプラントにするデメリット

メリットの大きいインプラントですが、デメリットもあります。

自由診療だから費用が高い

インプラントのデメリットのひとつは、費用が高いことです。

自由診療のため、入れ歯やブリッジと違って保険が適用になりません。

メーカーや素材にもよりますが、インプラント1本あたりにかかる治療費の相場は30~50万円程度です。

また、治療後にはメンテナンスの費用もかかります。

詳細な費用については、初診の際に歯科医師に確認してみましょう。

メンテナンスが必要

インプラントは、1度手術したらそれで終わりではありません。

金属製の歯根とあごの骨がくっつくまでの期間だけでなく、その後も年に2~4回程度はメンテナンスが必要です。

しかしメンテナンスは、インプラント周囲炎などのトラブルを予防するために重要で、結果としてインプラントを長持ちさせてくれます。

なお、インプラントが割れたり欠けたりした場合に、メンテナンスをしていないと保証が受けられないこともあるので注意が必要です。

歯が抜けてしまったらそのままにせず歯科医院の受診を

いかがでしたでしょうか。

この記事を読んでいただくことで、奥歯を抜けたまま放置することの危険性がご理解いただけたと思います。

これは、奥歯だけでなく、奥歯以外の歯が抜けたときにも当てはまります。

歯が抜けてしまったら、そのままにせず歯科医院を受診しましょう。

「団地会館歯科クリニック」は、インプラントの治療において30年以上の実績があります。

お口のなかの状態がよければ、短時間で負担の少ない治療が可能です。

また、16万円から治療できるオステムインプラントなども取り扱いがあります。 お口のなかのトラブルによりインプラントをご検討中の方は、ぜひ1度ご相談ください。