インプラントが定着した後の治療工程:アバットメント装着と歯の作製

インプラント

3~6か月経過してインプラントがシッカリと骨に定着したなら歯肉内部からインプラントの頭を出してアバットメントと呼ばれる歯の土台になる部品をセットします。当然局所麻酔をして行います。

アバットメント(Abutment)は、インプラント治療において非常に重要な役割を果たす部品です。インプラント体と最終的な人工歯(クラウン)を結びつける中間的な構造で、インプラントの治療過程において不可欠な要素です。以下に、アバットメントの役割や種類、素材について詳しく説明します。

アバットメントの役割

  1. インプラントと人工歯の接続: アバットメントは、インプラント体(顎骨に埋め込まれた金属製の土台)と人工歯を結びつける部品です。インプラント体が骨と癒着(オッセオインテグレーション)した後、歯茎を開いてインプラント体の上にアバットメントを取り付け、その上に人工歯を装着します。
  2. 歯肉形成と支え: アバットメントは、歯肉の形態を整える役割も果たします。これにより、最終的な人工歯が自然な形で歯茎から生えているように見えるようになります。
  3. 噛み合わせの調整: アバットメントを装着することで、最終的な人工歯が他の歯と適切な噛み合わせになるように調整できます。

アバットメントの種類

アバットメントには、さまざまな種類があり、治療の目的や患者の状態に応じて選択されます。

  1. プレファブリケイテッドアバットメント: 既製の標準的なアバットメントで、様々なサイズと形状が用意されています。標準的な治療で使用されることが多く、コストが比較的低いのが特徴です。
  2. カスタムアバットメント: 患者の口腔内の状況に応じて、個別に設計・製作されるアバットメントです。歯茎の形状や人工歯の配置に合わせて最適化されるため、より自然な仕上がりが期待できます。

アバットメントの素材

アバットメントは、以下のようなさまざまな素材から作られます。

  1. チタン: 最も一般的な素材で、生体適合性が高く、骨や歯茎との結合性に優れています。チタンは強度が高く、長期間の使用にも耐えるため、標準的なインプラント治療で広く使用されています。

アバットメントの装着プロセス

インプラントが骨としっかり癒着した後、アバットメントを装着するプロセスは次のように進みます。

  1. インプラント体の露出: 歯茎を開いてインプラント体の上部を露出させます。この際、局所麻酔を使用します。
  2. アバットメントの取り付け: インプラント体にアバットメントをしっかりと取り付けます。アバットメントは、人工歯が適切に装着されるための基礎となります。
  3. 歯肉の形成: アバットメントが装着された後、歯肉がアバットメントの周囲で自然に形作られるのを待ちます。この過程は数週間かかることがあります。
  4. 最終的な人工歯の装着: 歯肉が適切に形成された後、最終的な人工歯をアバットメントに装着して治療が完了します。