総入れ歯ーすべての歯を抜いてしまったとき

投稿者: | 2010年5月13日

 総入れ歯とは、すべての歯を人工の歯にする場合に、義歯と一体になった義歯床をアゴの土手に吸着させて使用する入れ歯です。
 部分入れ歯が健康な歯や歯の根で入れ歯を支えるのに対して、総入れ歯は義歯床が歯ぐきに乗っただけの状態。総入れ歯を支えるのはアゴの土手だけですから、はずれやすいのは当然です。義歯床はプラスチック製の分厚いもので、入れたそばから違和感を感じることがほとんどだと思います。
 入れ歯を長く使っているうちに、アゴの骨は収縮して小さくなってしまいます。歯を失うとアゴの骨が使われていない状態だからです。プラスチックの入れ歯がアゴの骨に圧力をかけるのも、アゴの骨を縮小させる原因です。アゴの骨が収縮するとアゴのサイズが小さくなるので、入れ歯が合わなくなるというのも自然なこと。1~2年おきに入れ歯のつくり替えが必要になります。
そのうえで、入れ歯の長所をあげるとすれば、材質を選ばなければ保険診療が利くということでしょうか。総入れ歯を保険診療のなかでつくるなら約2~3万円、自己負担が3割の人なら約7千円~1万円ぐらいと、相当安価で失った歯を取り戻せるということにはなります。
◆総入れ歯ができるまで
★抜歯して型をとります
 抜歯をしたら、歯を抜いたあとがきれいになるまで2週間以上はあけてから、歯とアゴの型(印象)をとります。「印象」をもとに石膏模型をつくり、歯科技工士が、患者さんのもとの歯や歯ぐきの色を想像して素材を選びます。かみ合わせの型(咬合)をとったら、歯科技工士は入れ歯の製作に入ります。
★蝋義歯を試しに入れます
 入れ歯を作っている間は、歯とアゴの型・かみ合わせの型でつくった蝋義歯と呼ばれるワックス製の義歯装着します。歯並び、かみ合わせをチェックして総入れ歯の完成をめざします。
★完成した総入れ歯を装着します
 完成した総入れ歯を着けてみて、アゴに合っているか、かみ合わせはうまくいっているかなどチェックして微調整します。違和感がある場合は、きちんと医師に伝えましょう。入れ歯を装着後何度か通院して、よい状態にもっていきます。
◆総入れ歯のケアのしかた
アゴの粘膜ごとおおってしまう総入れ歯ですから、慣れるまでには時間がかかります。入れたとき嘔吐感があったり、唾液が出づらく□が乾いたり、反対に唾液が出すぎたりすることもあります。慣れるのに数か月を要し、自然になるのには1年以上は必要です。
★入れ歯はブラシで洗う
 入れ歯にも歯垢やステインがつくので、食後は歯ブラシで磨きましょう。ピンクの部分の義歯床はプラスチックでできているので、唾液や口の中の汚れを吸い取ってしまいます。磨くだけでは不十分なので、義歯洗浄剤につけてきれいにしましょう。寝ている間、入れ歯をはずしているときに行うとよいでしょう。水ですすいでから使用します(煮沸消毒は厳禁です)。
 入れ歯だけでなく、口腔内の清浄も忘れずに。やわらかい歯ブラシで全体をブラッシングしましょう。
★夜、寝ている間ははすします
 総入れ歯は、常に歯ぐきをおおっているアゴの粘膜を圧迫しています。血行を妨げると栄養もいきわたらなくなるので、アゴがやせてしまいます。夜寝るときは入れ歯をはずしましょう。
★総入れ歯安定剤は必要に応じて使う
 総入れ歯安定剤は、入れ歯が簡単に落ちてしまったりして困るときには、使うとよいでしょう。
★定期的に歯科医のチェックを受ける
 合わない入れ歯をそのまま使っていると、アゴの骨を変形させたりかみ合わせが悪くなって体調にもひびきます。入れ歯によって圧迫されている粘膜がある、入れ歯に均一に力がかからずゴロゴロする、歯肉がこすれたりするといった場合は、すぐに歯科を受診して調整してもらいます。
 メンテナンスのためにも、それ以降も半年おきぐらいに歯科を受診することをすすめます。

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